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小千谷に昔から伝わる伝説や、地名の由来をご紹介します。

雪国は伝説の宝庫です。とりわけ小千谷には、興味深い伝説や昔ばなしのかずかずが伝わっています。 山の城跡、谷間の古池、森の中にひっそりたたずむ社、また、道ばたの塚や苔むす祠、それぞれに忘れがたい物語が秘められています。 五十嵐秀太郎著「小千谷の伝説」(恒文社)には、そんなたくさんの物語が収められています。 小千谷を訪れた時には、ぜひ見て、触れて、イメージをふくらませてみてください。
五十嵐秀太郎著「小千谷の伝説」(恒文社) 
定価2,000円
サンプラザにてお求めいただけます。
第二回 愛染明王

小千谷の神社やお寺に残る伝説をご紹介します。

愛染明王(あいぜんみょうおう) 〜川井〜

川井にある妙高寺の本尊、愛染明王は、むかし、伊豆の国(伊豆半島)田中荘の愛染堂に安置されていました。伊豆に流されていた源頼朝も、深く信仰されていたということです。
その後、新田義貞の一族で、内が巻城の城主であった田中義房が、内が巻城の守護仏として、この地にお迎えしたのです。
そのとき、来朝坊(らいちょうぼう)という、身の丈2メートル近い剛力無双の山伏が、明王を入れた厨子を背負ってきました。
長い旅をつづけた来朝坊は、護衛の武士と一緒に、やっと川井にたどりつきました。顔を上げると、かなたの山の上に、内が巻城が見えます。
「みなの衆、あれが、めざす内が巻城だ。ここでひと休みしよう」と杖を道のわきの土に突き立て、厨子をおろして休みました。
しばらく休んで、来朝坊が厨子を背負って立ち上がろうとしましたが、重くて動きません。武士たちが手伝いましたが動きません。杖を使おうと土から抜こうとしますと、こんどは杖に根が生えたように抜けません。
来朝坊は供の者を使いにやって、城主、義房にそのことを報告させました。
義房は、「それはきっと、明王様がここに安置せよと知らせておられるのだろう。その場所で待つように」といわれ、自分ででかけてきて一同をねぎらい、とりあえずその場所にお堂を建てて、安置しました。その後、うしろの山の上に立派なお堂を建てて祀りました。
役目の終わった来朝坊は、打ち鳴らしてきた鉦(かね)を、一晩泊まった内が巻の川上家に置いて去りました。今も家宝として大切に伝えられています。  

※愛染明王坐像(国指定文化財)妙高寺のご本尊。檜材の寄木造りで、鎌倉時代後期(1300年頃)の作品といわれています。   

美しい彩色が特徴で、染物関係者の信仰が厚く、また縁結びの仏として有名です。毎月26日に開帳されます。   

小千谷駅からバス30分「川井新田」下車、徒歩5分

愛染明王


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