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小千谷に昔から伝わる伝説や、地名の由来をご紹介します。
雪国は伝説の宝庫です。とりわけ小千谷には、興味深い伝説や昔ばなしのかずかずが伝わっています。
山の城跡、谷間の古池、森の中にひっそりたたずむ社、また、道ばたの塚や苔むす祠、それぞれに忘れがたい物語が秘められています。 五十嵐秀太郎著「小千谷の伝説」(恒文社)には、そんなたくさんの物語が収められています。
小千谷を訪れた時には、ぜひ見て、触れて、イメージをふくらませてみてください。 | 五十嵐秀太郎著「小千谷の伝説」(恒文社) 定価2,000円 サンプラザにてお求めいただけます。
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盆踊りの季節がやってきました。昔話しにも盆踊りが出てくるもがたくさんあります。その中のひとつで岩沢地区冬井に伝わる昔話しをご紹介します。
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むかし、冬井の鎮守様の前方は大きな池になっていました。その池に十八の頭をもつ大蛇が棲んでいるといわれ、村人に恐れられていました。
そのころ、冬井の大淵市右エ門の家に、お八重という美しい娘がいました。
お八重が年頃になったある夏、例年のように盆踊りがあり、お八重も友達と一緒に見に行きました。友達としばらく見ているうちに、踊りの輪の向こう側から、誰かがじっと自分を見つめているのに気づきました。注意して見ると、見たこともない若者です。うす気味悪いので、そっと友達をさそって帰ってしまいました。
それからというもの、畑で仕事をしているときや、家の前の小川で洗濯をしているときなど、誰かが自分を見つめているような気がして、いやな気分になることがありました。市右エ門もそれを聞いて、娘の身のまわりに気をつけていました。
当時、大淵家の鎮守様は、大池の中の小山のような島の上に祀られていました。
鎮守様の秋祭りの日、お八重は小船に乗ってお参りに出かけました。お八重は池を水鏡にして長い髪をすいていました。その姿は、絵のように美しかったということです。
その時です。とつぜん、池の中に波が立ち、みるみる大きくなって舟に近づいたかと思うと、ガバっつと舟にかぶさりました。舟はひっくり返り、お八重は池の中へ引き込まれてしまいました。
その知らせをうけた市右エ門は、伝統の家宝を抜きはなって、池のほとりにかけつけ、刀を口にくわえて「ザンブ」と池に飛び込みました。すると大蛇が十八の頭をもたげて、市右エ門に向ってきました。市右エ門は刀をふるって大蛇に斬ってかかりました。大蛇はつぎつぎに傷つけられ、ふき出る血で池が赤く染まったということです。
大蛇は「これはとてもかなわない」と、池の土手を押し破り、あふれ出る水に乗って沢から信濃川へのがれ、郡殿の池に逃げて行ってしまいました。
このときのあふれる水で、沢はあらあらしくえぐられました。十八の頭を持つ大蛇がえぐった沢だというので、それからこの沢を、十八沢と呼ぶようになったのだということです。
いま、池はすっかり小さくなり、わずかにその名残をとどめています。
大蛇はいまでも、「故郷の冬井へ行って見てえども、市右エ門の刀がおっかなくていがんねえ」となげいているということです。
市右エ門の家には、いまでもその刀とお八重の使った扇子が伝えられています。
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